JIS A1960:2015 pdfダウンロード
JIS A1960:2015 pdfダウンロード。室内空気のサンプリング方法通則 Indoor air-General aspects of sampling strategy
1 適用範囲
この規格は,室内空気中の汚染物質のモニタリングを計画することへの手助けとなるように意図されている。 サンプリング方法を検討する前に,何の目的で,いつ,どこで,どれぐらいの頻度で,そしてどのくらいの時間にわたってモニタリングを行うか考える必要がある。これらの質問への答えは,特に,室内環境の個々の状況,サンプリングの目的及びサンプリングする環境によっている。この規格では,これらの因子の有意性を検討し,どのように適切なサンプリング計画を選択するべきかについて提案されている。
この規格は,次に示す室内環境に適用可能である。 住宅の居間,寝室,作業場,娯楽室,地下室,台所及び浴室:空気の汚染物に関して健康と安全検査の適用を受けていない建物(例えば,事務所及び店舗)の中の作業場又は仕事場:公共の建物(例えば,病院,学校,幼稚園,スポーツ室,図書館,レストラン,バー,劇場,映画館及びその他の建物)及び車室内[7]。
注記1 空気汚染に関して,事務所,店舗などの職場は,健康及び安全性調査の監視下におかれる国もある。我が国では,建築物における衛生環境の確保に関する法律(建築物衛生法)によって,延べ面積3 000 m2以上は規制されている。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 ISO 16000-1:2004,Indoor air−Part 1: General aspects of sampling strategy(MOD) なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 3 室内環境の特徴 例えば,測定の結果によって,改修工事の必要性の検討,改修の効果の検証など,測定結果の活用方法は広範囲で重要性をもつので,慎重なサンプリング計画が重要となる。 室内空気の汚染物の測定は,通常,二つの手法のいずれかによって行う。
a) サンプリングは可能な限り扱いやすく,簡易な機器を使って現場で実施する。その後の分析は,実験室で行う。
b) サンプリングと分析を,直読式の測定システムを使って現場で行う。 どんな物質の濃度も常に放散源の強度,人間の活動,換気量,建物外部又は内部の環境の条件,化学反応及び収着反応(例えば,表面材及び家具への収着)によって変化するので,室内環境はほとんど一定していない。放散源と居住者の距離とが短いために,室内環境での人への暴露は重要な問題となる。さらに,室内空気の組成は,室内及び室間で異なるものであり,建物周辺の外気ほど均一ではない。
式(1)は,室内空気において,物質の濃度に影響を与えるパラメータの関係を表したものである。 なお,繊維(アスベスト,人造繊維)などの特殊な場合には,別の条件を考慮する必要がある(ISO 16000-7参照)[8]。
式(1)の左辺は時間における物質の濃度の変化を表す。右辺の最初の二項は放散源からの放散による濃度の増加及び外気の侵入を記述する。他方最後の二つの項は,換気によって,又は部屋の中の繊維製品による化合物の収着のような,除去機構の結果として生じる濃度の減少を表す。
式(1)の最も重要な項は,放散源の強度である。それは,しばしば時間変動が観測されるが,この式では考慮に入れられていない。時間変動が無視できないなら,より複雑な式が必要である。時間とともにどのように強度が変化するかによって,一定の場合と可変的な場合とで放散源強度を区別することができる。そして両方のケースともさらに,規則的な放散か,不規則な放散かに細分化される。連続した発生源の強度は同様に室温,相対湿度と室内気流に依存し,長期間,すなわち,数週間から数箇月オーダーで変化する可能性がある。間欠放散源の放散速度は,一般に,部屋の気候パラメータにはあまり影響を受けず,より短い時間内でしばしば変化する。
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