JIS Z4809:2012 pdfダウンロード
JIS Z4809:2012 pdfダウンロード。放射性物質による汚染に対する防護服 Protective clothing for use against radioactive contamination
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 8001,JIS T 8115及びJIS Z 4001によるほか,次による。
3.1 防水透湿性材料(water penetration resistance and water vapour permeability material) 水は通さないが,湿気(水蒸気状)は通過する性質をもつ材料。
3.2 陽圧服(ventilated-pressurized garments)
服外から呼吸可能な空気を供給し,服内の陽圧を保持する換気加圧服で,全身又は上半身を防護する防護服。 例 陽圧形エアラインスーツ
3.3 密閉服(unventilated-unpressurized garments)
非換気非加圧服で,呼吸器官を除く全身又は身体の一部を防護する防護服。 例 ワンピース形(カバーオール形),ツーピース形(アノラックズボン形),実験衣形,手術衣形,エプロン形など。ただし,フード,バイザー及びブーティの有無は問わない。 なお,ブーティ(bootee)とは,着用者のかかと(踵)から爪先までを覆う,防護服のズボンと一体になっている防護服の靴下状の延長部分。ブーツ・ソックス(boot-socks)ともいう。
3.4 縫合部(seam) 縫合,溶着又はその他の方法で作られた,防護服材料間の恒久的な接合部分。
3.5 防護係数(PF)(protection factor)
総合的な防護性能を示す係数で,作業環境空気中の平均汚染物濃度に対する防護服頭部内呼吸域空気中の平均汚染物濃度の比。
3.6 限定使用(limited use)
放射性物質の除染が必要になるまで,又は放射性物質による汚染のため廃棄が必要になるまでの間,使用できること。一回の使用,及び制限のある再使用を含む。
3.7 再使用可能(reusable)
放射性物質の除染が確実に行われた後,この規格の性能を満足することを条件に複数回使用できること。
4 種類及びサイズ
4.1 種類
4.1.1 陽圧服 陽圧服の種類は,次による。形状例は附属書JAを参照。
a) I形 送気された空気を,排気管によって作業環境外に排気する陽圧服。
b) II形 送気された空気を,微粒子・ガス用フィルタ,弁などからなる排気管によって,作業環境中へ排出する陽圧服。作業環境中の空気が陽圧服内へ逆流するのを防ぐため,排気管は,十分な長さをもつものとする。 c) III形 送気された空気を,微粒子・ガス用フィルタ,弁などからなる排気口を通じて,周辺に排気する陽圧服。
d) IV形 排気口を特定せず,裾,袖などから,排気を周辺に排出する陽圧服。
4.1.2 密閉服 密閉服の種類は,次による。
a) V形 呼吸保護に関しては呼吸用保護具を併用し,液体及びエアロゾル状の放射性物質による汚染から着用者を防護する密閉服。
b) VI形 呼吸保護に関しては呼吸用保護具を併用し,浮遊固体粉じん状の放射性物質による汚染から着用者を防護する密閉服。
4.2 サイズ 防護服のサイズは,JIS T 8005による。
5 構造
5.1 一般 防護服の一般構造は,次による。
a) 容易に着脱でき,脱衣時に体表面又は下着を汚染しにくい構造とする。
b) 放射性物質の除染及び洗浄を容易とするため,平滑な構造とする。ただし,限定使用する防護服は,除染及び洗浄に対する配慮を必ずしも必要としない。
5.2 陽圧服 陽圧服は,次による。
a) 頭部の窓は,十分な視野があり,光学的に欠陥が少なく,曇りにくい構造とする。
b) 着用者の動き及び姿勢にかかわりなく陽圧服内を換気でき,着用者の顔面に十分通気できるような構造とする。
c) 排気管は,飛来物によって損傷しにくく,通常使用状態において閉鎖しない構造とする。 d) 空気流量調節用バルブは,丈夫であり,軽く,かさばらず,放射性物質を除染しやすい構造とする。
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