JIS H8684:2013 pdfダウンロード
JIS H8684:2013 pdfダウンロード。アルミニウム及びアルミニウム合金の 陽極酸化皮膜の変形による耐ひび割れ性試験方法 Anodizing of aluminium and its alloys-Assessment of resistance of anodic oxidation coatings to cracking by deformation
1 適用範囲
この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。)に施した陽極酸化皮膜(以下,皮膜という。)の変形による耐ひび割れ性を試験する方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 ISO 3211:2010,Anodizing of aluminium and its alloys−Assessment of resistance of anodic oxidation coatings to cracking by deformation(MOD) なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS H 0201 アルミニウム表面処理用語 JIS Z 8401 数値の丸め方
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS H 0201による。
3.1 伸び率(degree of elongation)
試験片を変形させたときにひび割れが発生した位置の皮膜の伸びの百分率。伸び率が高いほど,耐ひび割れ性が優れている。
3.2 有効面(significant surface)
製品の表面に施した皮膜が,用途に適合する品質を満たすことが不可欠な面。
4 概要
この試験は,装置に試験片の一端を固定し,わん曲面に沿って試験片を曲げ,皮膜に最初のひび割れが現れる位置の変形目盛を読み取り,変形目盛に対応する曲率半径を求め,この曲率半径から皮膜の伸びの百分率を算出する。
5 装置
5.1 一般 装置は,図1に示すように,わん曲面板,取付台,留めねじ及び金属製座板によって構成する。
5.2 わん曲面板 わん曲面板は,変形目盛1から18を10 mm間隔で付けた滑らかで連続的な曲率をもつステンレス鋼などの金属製とする。変形目盛は,表1に示すように,次の式(1)から求めたわん曲面板の曲率半径に対応するものとする。
5.3 留めねじ 2個の留めねじは,試験片の端面を留めるために,わん曲面板の変形目盛1及び変形目盛18の両側に備える。試験片に接する面は,硬質ゴムなどを用いる。
6 試験片
6.1 試験片の採取方法 試験片は,製品の有効面から採取する。試験片の端部は,有効面には含めない。また,採取した試験片の試験面にひび割れがあってはならない。 なお,製品から試験片を採取することができない場合は,製品と同一の材料及び同一の処理条件で作製した試験片を用いる。製品と同一の材料とは,材料の種類・質別及び処理前の表面状態が,製品と同じであること,また,同一の処理条件とは,前処理,皮膜の処理が,製品と同一の浴組成及び同一の処理条件で,製品と同一の性能を得るように処理することをいう。
6.2 試験片の寸法 試験片の寸法は,長さ約250 mm及び幅約20 mmとする。また,最大厚さは3 mmとする。 なお,この板厚の範囲であっても,試験片の厚さが極めて薄い試験片では,ひび割れを生じない場合がある。また,板厚が厚い試験片では,全面にひび割れを生じる場合がある。この場合は,皮膜の伸び率は求められない。
6.3 試験片の清浄 試験片は,水又はエタノールなどの適切な有機溶剤を浸した柔らかい布などで軽くぬぐい,試験片表面の汚れを除去する。
7 試験 試験は,次による。
a) 試験片の有効面を外側にして,その一端を装置の両端にある留めねじのいずれかで留める。
なお,わん曲面板の変形目盛1側にある留めねじで試験片を留めて試験した場合,試験片がひび割れを生じる前にわん曲面板から離れるようなときは,変形目盛18側の留めねじに留める。
b) 試験片が常にわん曲面板に密着した状態を保ちながら,わん曲面板に沿って順に曲げていき,もう一方の留めねじに試験片の他方の端を留める。
c) 変形目盛1から18の間で試験片を観察し,最初のひび割れが現れている箇所に相当する変形目盛を判読して記録する。このとき,変形目盛の間にひび割れが現れている場合は,小さい方の目盛を採用する。例えば,最初のひび割れが現れている箇所が,変形目盛の8と9の間の目盛線上にあった場合のひび割れの変形目盛は,8として記録する。ひび割れが見えにくい場合は,曲げた試験片を外して,20 ℃±5 ℃の硫酸銅溶液に約5分間浸せきし,水洗後,乾燥する(JIS H 8689参照)。その試験片を再び試験装置に取り付けて,最初のひび割れが発生した箇所に対応する変形目盛を調べて記録する。
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