JIS C2134:2007 pdfダウンロード
JIS C2134:2007 pdfダウンロード。固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の 測定方法 Method for the determination of the proof and the comparative tracking indices of solid insulating materials
1. 適用範囲
この規格は,固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数を測定するために,機器の一部から採取した試験片及び成形板材料に対して交流電圧を用いて行う測定方法について規定する。 この規格は,浸食の測定が必要な場合のために,浸食の測定方法についても規定する。
備考1. 保証トラッキング指数は,材料及び加工部品の品質管理手段としてはもちろん,製品受入れの場合の基準としても使用できる。比較トラッキング指数は,主として材料の基本的特性及びその比較に使用する。 この規格の測定結果は,電気機器を設計するとき,安全沿面距離の決定に直接使用することはできない。
備考2. この測定は,高湿度環境下で使用する可能性のある機器に用いられる材料を,耐トラッキング性が比較的低い材料と,中程度又は良好な材料とに区別する。 屋外で使用する材料の性能評価には,この規格で規定するよりも高い電圧と大きな試験片とを用いて,長時間のより厳しい条件による測定が必要である(IEC 60587の斜面平板測定方法参照)。傾斜平板方法など他の測定方法で得られる材料の順位は,この規格で規定している滴下測定で得られる結果の順位とは異なる場合がある。
3. この規格の対応国際規格を,次に示す。 なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD (修正している),NEQ(同等でない)とする。 IEC 60112 : 2003,Method for the determination of the proof and the comparative tracking indices of solid insulating materials (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
JIS K 7151 : 1995 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片 備考 ISO 293 : 1986,Plastics−Compression moulding test specimens of thermoplastic materialsがこの規格と一致している。 JIS K 7152-1 : 1999 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第1部:通則並びに多目的試験片及び短冊形試験片の成形
備考 ISO 294-1 : 1996,Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials−Part 1 : General principles, and moulding of multipurpose and bar test specimensが,この規格と一致している。
JIS K 7152-3 : 2006 プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第3部:小形角板
備考 ISO 294-3 : 2002,Plastics−Injection moulding of test specimens of thermoplastic materials−Part 3 : Small platesが,この規格と一致している。
IEC 60589 : 1977,Methods of test for the determination of ionic impurities in electrical insulating materials by extraction with liquids
IEC Guide 104 : 1997,The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group safety publications
ISO 295 : 1991,Plastics−Compression moulding of test specimens of thermosetting materials 3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 トラッキング (tracking) 固体絶縁材料の表面,内部又はその両方に発生する,電界と電解質汚染との複合作用によって,導電路が次第に形成されること。
3.2 トラッキング破壊 (tracking failure) 導通部間のトラッキングによる絶縁破壊。
備考 この測定でトラッキング破壊は,試験片の表面,内部又はその両方を0.5 A以上の電流が2秒以上流れて過電流継電器が作動することで表示される。
3.3 電気的浸食 (electrical erosion) 放電作用による絶縁材料の損耗。
3.4 気中アーク (air arc) 試験片表面上の電極間アーク。
3.5 比較トラッキング指数 (comparative tracking index) (CTI) 5個の試験片が,50滴滴下の測定期間にトラッキング破壊及び持続炎を発生することなく耐える最高電圧の値であって,同時に100滴滴下測定時の材料挙動に関する記述(100滴滴下測定に耐える最高電圧の値)も含む(11.4参照)。
備考1. CTIに関する基準として,電気的浸食の程度に関する報告が必要なこともある。 2. 非持続炎は,測定中に発生してもトラッキング破壊を生じない限り許容されるが,ほかにより重要と考えられる要素がなければ,炎を全く発生しない材料の方が望ましい。附属書Aも参照。
3.6 持続炎 (persistent flame) 疑義がある場合,2秒以上燃焼するもの。
3.7 保証トラッキング指数 (proof tracking index) (PTI) 5個の試験片が,50滴滴下の測定期間中にトラッキング破壊及び持続炎を発生させることなく耐えられる保証電圧をボルトで表示した数値。 備考 非持続炎は,測定中に発生してもトラッキング破壊を生じない限り許容されるが,ほかにより重要と考えられる要素がなければ,炎を全く発生しない材料の方が望ましい。附属書Aも参照。
4. 原理 試験片の上面をほぼ水平に支持し,二つの電極間に電界を印加する。電極間の表面に,過電流継電器が作動するか,持続炎が発生するか,又は測定期間が終了するまで電解液を継続して滴下する。 個々の測定は,短時間(1時間以内)に,試験片の表面上4 mm離した白金電極間に30秒間隔で1滴が約20 mgの電解液を滴下し,50滴又は100滴に達するまで行う。
- Previous:JIS B7255:2007 pdfダウンロード
- Next:JIS C2318:2007 pdfダウンロード