JIS K0120:2005 pdfダウンロード
JIS K0120:2005 pdfダウンロード。蛍光光度分析通則 General rules for fluorometric analysis
1. 適用範囲
この規格は,蛍光光度分析装置を用いて,紫外可視から近赤外領域における蛍光強度を測定し,これによって物質の定性及び定量分析を行う場合の通則について規定する。ただし,原子蛍光及び蛍光X線を用いる方法には適用しない。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 なお,括弧内の対応英語は,参考のために示す。
a) 分光器(spectrograph, spectrometer) 一つの光源からの光を分散させて一つの焦点面上に波長順にスリット像を結ばせる装置。
b) モノクロメーター(monochrometor) 特定波長の光を取り出す装置。
c) シングルモノクロメーター(single monochrometor) 一つの回折格子, プリズムなど,単一の分散素子を用いたモノクロメーター。
d) ダブルモノクロメーター(double monochrometor) 通常,二つのシングルモノクロメーターを光学的に直列に結んだモノクロメーター。
e) 単光束方式(single beam) 光度計及び分光光度計において光源から検出部までの間で,光路が分岐していない方式。
f) 光学フィルター(optical filter) 特定の波長域の光を通過又は阻止するために用いる光学素子。
g) ゼラチンフィルター(gelatin filter) 着色したゼラチン膜をガラス板などで挟み,特定の波長域の光を取り出せるようにした光学フィルター。
h) 干渉フィルター(interference filter) 薄膜又はその多重層の光の干渉作用を利用し,必要とする波長の光を取り出せるようにした光学フィルター。
i) 色ガラスフィルター(color optical glass filter) 着色したガラスによって,特定の波長域の光を取り出せるようにした光学フィルター。
j) 蛍光測定用セル(cell) 溶液,溶媒などによる蛍光を測定するために,それらを入れる容器。
k) 光源(light source) 光分析機器において,光波(光量子)を発生・放射させる部分。
l) 分解(resolution) 相近接した2本のスペクトル線を分離できる分光器の能力。
m) 迷光(stray light) モノクロメーターで分散され取り出された光の中で,目的とする波長光以外の光。
n) 分析種(analyte) 分析試料又は試料溶液中の被検成分。
o) 光電子増倍管(photomultiplier tube) 光の照射によって電子を放出する陰極と電子を受け取る陽極とをガラス管内に封入し,陰極と陽極との間に電子を増加させるための一つ以上の中間電極を備えた光検出素子。
p) フォトダイオード(photodiode) p-n接合面への光の照射によって生じる光起電効果を利用した光検出素子。
q) 蛍光光度計(fluorometer) 蛍光強度を測定する装置。励起光側及び蛍光側波長選択部の両者に光学フィルターを用いる。
r) 蛍光分光光度計(fluorospectrometer) 蛍光強度を測定する装置。励起光側又は蛍光側波長選択部のどちらかにモノクロメーターを用い,他方に光学フィルターを用いる。
s) 分光蛍光光度計(spectrofluorometer) 蛍光強度を測定する装置。励起光側及び蛍光側波長選択部の両者にモノクロメーターを用いる。
t) 三角セル(triangular cell) 三角形の形状で光量子計の容器としても用いられるセル。
u) 蛍光偏光(fluorescence polarization) 蛍光における偏光現象。この測定を行う装置では励起光側及び蛍光側の両側に偏光子を置く。
v) りん光(phosphorescence) 通常,三重項から一重項への遷移によって生じる発光。光照射によってりん光が放出される場合は,励起光より長波長の光を発光する。
w) 光量子計(quantum counter) 量子収率が一定であるローダミンBなどの溶液に励起光を吸収させ,これから放射される蛍光を測定し,励起光の強度を求める装置。
x) 蛍光スペクトル(fluorescence spectrum) 励起光側波長を固定し,観測される蛍光強度を蛍光側波長に対してプロットしたスペクトル。
y) 励起スペクトル(excitation spectrum) 蛍光側波長を固定し,観測される蛍光強度を励起光側波長に対してプロットしたスペクトル。
z) ラマン散乱(raman scattering) 振動数ν0の入射光に対してν0±νiの光が散乱される現象。νiは分子及び結晶に固有の振動数。
aa) 消光(quenching) ある化学種の蛍光又はりん光が他の化学種によって減少する現象。
ab) 同期スペクトル(synchronous spectrum) 励起光側及び蛍光側の両モノクロメーターに一定の波長差で同時に,かつ,同じ速度で走査させ,観測される蛍光強度を励起波長又は蛍光波長に対してプロットしたスペクトル。
ac) スペクトル補正(spectrum correction) 得られた蛍光又は励起スペクトルから,光源の分光特性及び光学系の装置特性を補正するための操作。
4. 装置
4.1 装置の構成
4.1.1 蛍光光度計 蛍光光度計の構成例を,図1に示す。蛍光光度計は,光源部,励起光側波長選択部,試料部,蛍光側波長選択部,測光部,信号処理部,データ処理部及び表示・記録・出力部で構成する。蛍光光度計は,波長選択部として,光学フィルターを用いる。
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