JIS Z2286:2003 pdfダウンロード
JIS Z2286:2003 pdfダウンロード。金属材料の高温回転曲げ疲労試験方法 Method for high temperature rotating bending fatigue testing of metallic materials
1. 適用範囲
この規格は,高サイクル疲労領域を対象として,1,000℃以下の高温大気中で行う標準試験片による金属材料の回転曲げ疲労試験方法について規定する。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 2274 金属材料の回転曲げ疲れ試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方 3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 回転曲げ 曲げモーメントの面内に軸をもつ試験片が回転し,試験片に繰返し応力が与えられる荷重方法。
b) 高サイクル疲労 破壊までの回転曲げ繰返し数,いわゆる疲労寿命が,およそ104回以上となる疲労。
c) 応力振幅 最大の応力が生じる断面での曲げモーメントを断面係数で除した値。
d) S−N線図(応力−繰返し数線図) 縦軸に応力振幅,横軸に破壊までの回転曲げ繰返し数(破壊せ ずに試験を終了した場合の繰返し数を含む。)をとって描いた線図。
e) 疲労限度 無限回の繰返しに耐えると考えられる応力振幅の上限値。
f) 時間強度 指定された回数の繰返し数に耐える応力振幅の上限値。
g) 疲労強度 疲労限度及び時間強度の総称。
4. 試験片 試験片は,次による。
a) 標準試験片は,断面が円形の丸棒試験片とし,その形状によって1号(平行部付き)試験片及び2号(砂時計形)試験片に区分し,それらの標準寸法はそれぞれ図1及び図2による。
b) 切欠き試験片を含め,a) の標準寸法以外の試験片による試験が必要な場合の試験片の形状は,受渡当事者間の協定による。
c) 試験片の加工方法,仕上げ精度,仕上げた後の試験片の取扱い,試験片直径の測定方法などについては,JIS Z 2274の3.2〜3.7による。
5. 試験機 試験機は,次による。
a) 試験機は,試験片の試験部分に,図3に示す曲げモーメントを与えることができるものを用いる。
b) 試験機は,試験片に軸方向の荷重及びねじりモーメントが作用しないような構造でなければならない。また,試験機には,試験片が破断するまでの繰返し数が求められる装置及び停電その他の理由で試験機が停止したときに,自動的に再起動することを防止する機構を備えなければならない。 c) 試験機の耐久性及び精度は,JIS Z 2274の4.3〜4.6による。
d) 加熱装置は,加熱炉及び温度制御装置から成り,試験片試験部分(図3でTと指示してある部分)の温度が6.3の許容温度範囲内で均一となり,かつ,経時変化がないように自動制御できるものでなければならない。また,加熱炉は,回転する試験片試験部分の近傍の雰囲気温度を測定できる構造とし,加熱炉の中心を,回転する試験片の中心軸の位置に移動させることのできる調節機構を備えなければな らない。
6. 試験方法
6.1 繰返し速度 繰返し速度は受渡当事者間の協定による。一連の試験は,同一の繰返し速度で行わなければならない。 なお,繰返し速度が速く,応力振幅が大きいために,試験片が著しく発熱する場合は,繰返し速度を遅くしなければならない。このような場合は,試験した繰返し速度を記録しておく。
6.2 試験温度 試験温度は受渡当事者間の協定による。
6.3 試験温度測定方法 試験温度は試験片試験部分の表面温度とする。回転する試験片表面温度の直接測定が不可能な場合には,試験片表面温度は,次に示す予備試験によって得られる雰囲気温度からの換算値を用いて測定し,疲労試験中は,回転する試験片試験部分の近傍の雰囲気温度を測定し,換算値を用いて換算した表面温度が試験温度となるよう温度を制御する。 予備試験は次のように行う。予備の試験片を用いて回転する試験片試験部分近傍の雰囲気温度と,回転を停止した直後の試験片試験部分の表面温度とを,熱電対を用いて測定して両者の温度差を求め,雰囲気温度に対応する試験片表面温度を求める。この場合,試験片を回転させる際の繰返し速度は,6.1の繰返し速度条件と同じとし,雰囲気温度を測定する熱電対と試験片表面との距離は,疲労試験の場合と同じにする。
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