JIS K3812:2003 pdfダウンロード
JIS K3812:2003 pdfダウンロード。電気泳動分析通則 General rules for electrophoretic analysis
1. 適用範囲
この規格は,電気泳動装置を用いて化学種及び粒子の定性及び定量分析を行う場合の通則について規定する。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 JIS Z 8103 計測用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0213及びJIS Z 8103によるほか,附属書(規定)による
4. 共通事項 共通事項は,JIS K 0050,JIS K 8001及びJIS R 3503による。
5. 電気泳動の分類 電気泳動を分離の原理によって次のとおり分類する。
a) 泳動液に均一な電位こう配がかかる条件で分離する方法(ゾーン電気泳動など)。
b) 泳動液組成を調節して,泳動液の部位によって電位こう配が異なる状態を安定に形成させて分離する方法(等速電気泳動,等電点電気泳動など)。
6. 電気泳動装置
6.1 構成 電気泳動装置は,図1で示す電源部,泳動部及び附属装置で構成する。
6.2 電源部 電源部は,次による。
a) 陽極及び陰極の電源端子をそれぞれ少なくとも一つ以上備える。
b) 電源端子間に加える電圧,電流,又は電力のうち,少なくとも一つを調節できるもの。
c) b) で調節した値の精度がよいもの。
d) b) で調節した値が安定に保たれるもの。
e) 電源部を収納する容器の材質が耐薬品性に優れているもの。
f) 通電中は電源端子が使用者の身体に直接触れることのないように,電源端子の形状が設計されているもの。
6.3 泳動部 泳動部は,次による。
a) 電極端子 陽極及び陰極の電極端子はそれぞれ対応する電源端子と接続が容易な構造とし,陽極及び陰極電源端子の判別が容易にできるように設計されたもの。接続後も通電中は使用者の身体に直接触れることのないようにに設計されたもの。
b) 電極 電極は電極槽中に設置され,白金線など電極槽液に対し耐電食性の材質を用い,電極端子と接続されたもの。電極と電極端子との接続部分も電極槽液に対し耐電食性であるように設計されたもの。電極端子と電極の接続部分及び電極は通電中は使用者の身体に直接触れることのないよう設計されたもの。
c) 電極槽 泳動液を収納する容器で,電極と泳動液を電気的に接続できる構造のもの。また,泳動時,電極付近の泳動液に生じる組成変化の影響が泳動槽液に及ばない程度の量の泳動液を収納できるように設計されたもの。電極槽の材質は,泳動液によって浸されたり,泳動液を汚染したりすることのないもの。
参考 電極槽内と泳動槽〔d)〕内とで泳動液の組成が異なる場合,電極槽内の液を電極槽液と呼んで区別することがある。
d) 泳動槽 泳動液又は泳動液を含浸した支持体を安定に保持でき,これらと接する面が平滑な絶縁性の 材料製で,これらと接しない面から放熱又は冷却できるもの。電気泳動槽断面の形状と寸法は一定で あるもの。分析目的に応じた性能をもつ1台の電気泳動装置泳動部に、複数個の泳動槽を装着するこ ともできる。
6.4 附属装置 電気泳動装置に附属する装置は以下とする。
a) 試料導入装置
b) 検出予備操作のための装置
c) 検出・記録装置
d) 分取装置
e) データ処理装置
f) 温度制御装置 7. 泳動液 泳動液は,試料化学種又は粒子を成分分離に適した性状とするための溶液で,適当な電気伝 導性,イオン強度,pHなどをもち,泳動の種類によって緩衝液,酸,塩基,両性電解質溶液,又はそ れらの混合溶液とする。分離性能を向上させるため,界面活性剤などを添加剤として加えてもよい。 参考 泳動液だけで電気泳動を行う場合と,8. の支持体に泳動液を含浸させて電気泳動を行う場合とがある。
8. 支持体 泳動液を含浸支持して安定な展開面を形成させるとともに,濃度こう配,pHこう配などを制御又は固定させたもので,その種類は次による。
a) 繊維 ろ紙,セルロースアセテート膜などを用いる。
b) 粒子 合成高分子ゲル粒子,シリカゲル粒子などを用いる。
c) ゲル 寒天ゲル,アガロースゲル,合成高分子ゲル(ポリアクリルアミドゲルなど)などを用いる。合成高分子ゲルの場合は,グラジェントゲルも用いる。
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