JIS H1622:1998 pdfダウンロード
JIS H1622:1998 pdfダウンロード。チタン合金−アルミニウム定量方法 Titanium alloys−Methods for determination of aluminium
1. 適用範囲
この規格は,チタン合金中のアルミニウム定量方法について規定する。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,この最新版を適用する。
JIS H 1611 チタン及びチタン合金の分析方法通則 JIS K 0116 発光分光分析通則
3. 一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1611及びJIS K 0116による。 4. 定量方法の区分 アルミニウムの定量方法は,次のいずれかによる。
a) 8−キノリノールアルミニウム重量法 この方法は,アルミニウム含有率0.50% (m/m) 以上10.0% (m/m) 以下の試料に適用する。
b) ICP発光分光分析法 この方法は,アルミニウム含有率0.50% (m/m) 以上10.0% (m/m) 以下の試料に適用する。 5. 8−キノリノールアルミニウム重量法 5.1 要旨 試料を塩酸と硫酸とで分解し,硝酸を加えてチタンなどを酸化した後,水酸化ナトリウムでチタンなどを水酸化物として沈殿させ,ろ過する。ろ液に塩酸を加えて酸濃度を調節した後,すずなどを硫化物として沈殿させ,ろ過する。ろ液に酒石酸を加え,アンモニア水でアルカリ性とした後,8−キノリノールを加えて8−キノリノールアルミニウムを沈殿させ,その質量をはかる。
5.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1)
b) 硝酸
c) 硫酸 (1+1)
d) アンモニア水
e) アンモニア水 (1+29)
f) 水酸化ナトリウム溶液 (300g/l,100g/l)
g) 過酸化水素
h) 硫化水素
i) 硫化水素溶液(飽和) 塩酸 (1+39) に硫化水素を通して飽和させる。
j) L (+) −酒石酸溶液 (200g/l)
k) 8−キノリノール溶液 8−キノリノール25gを酢酸50mlに溶解し,水で液量を1 000mlとする。
5.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,試料中のアルミニウム含有率に応じて表1にしたがって,1mgのけたまではかる。
5.4 操作 5.4.1 準備操作 準備操作は,次の手順によって行う。
a) ガラスろ過器 (2G4) を,使用に先立ち,温水約100mlを用いて吸引ろ過しながら洗浄する。
b) 110〜130℃の空気浴中で約60分間乾燥し,デシケーター中で室温まで放冷し,その質量をはかる。この操作を恒量となるまで繰り返した後,デシケーター中に保存する。
5.4.2 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 100ml及び硫酸 (1+1) 15mlを加え,穏やかに加熱して分解する。
b) 室温まで放冷した後,溶液の紫色が消えるまで硝酸を滴加し,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,加熱して硫酸の白煙を発生させる。
c) 室温まで放冷した後,水約80mlを少量ずつ加え,ときどき振り混ぜながら穏やかに加熱し(1)塩類を溶解する。 注(1) 塩類が溶解する程度に加熱する。煮沸すると,チタン酸の沈殿が析出することがある。
5.4.3 チタンなどの分離 チタンなどの分離は,次の手順によって行う。
a) 5.4.2c)で得た溶液をよくかき混ぜながら沈殿がわずかに生成するまで水酸化ナトリウム溶液 (300g/l) を少量ずつ添加する(2)。 注(2) 添加する水酸化ナトリウム溶液 (300g/l) の量は,通常約25mlである。
b) 溶液を,あらかじめ水酸化ナトリウム溶液 (100g/l) 150mlを入れて約70℃に加熱してあるビーカー (500ml) 中に,よくかき混ぜながら移し入れた後,元のビーカー200mlの内壁を温水で洗って洗液を溶液に合わせて,時計皿で覆い,約1分間煮沸する。
c) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液及び沈殿を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
d) 溶液を沈殿とともに乾いたビーカー (500ml) に移し入れ,沈殿が沈降した後,上澄み液を乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過し,初めのろ液約30mlは捨て,その後のろ液を乾いた250mlの全量フラスコに標線まで入れる。
5.4.4 すずなどの分離 すずなどの分離は,次の手順によって行う。
a) 5.4.3d)で得た溶液をビーカー (500ml) に移し入れ,250mlの全量フラスコを水約25mlずつで2回洗って,洗液を溶液に合わせる。
b) 塩酸 (1+1) を加えて一度生成した水酸化アルミニウムの沈殿が溶解するまで中和し,更に過剰に15ml加える(3)。 注(3) 試料中にすず,銅及び/又はモリブデンが含まれていないときは,次のc)及びd)の操作は行わない。
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