JIS F1028:1997 pdfダウンロード
JIS F1028:1997 pdfダウンロード。舟艇−陸電装置 Small crafts−Shore power systems
1. 適用範囲
この規格は,長さ24m以下,かつ,総トン数20トン未満の舟艇で単相交流125V以下,周波数50Hz又は60Hzの船外の電源を舟艇に引き込む場合の船内の陸電装置(1)(以下,装置という。)について規定する。
注(1) 陸上の電源を船内に取り入れるため舟艇に装備する装置。 備考 この規格の引用規格を,次のとおりとする。
JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル
JIS C 3401 制御用ケーブル JIS C 3410 船用電線 JIS C 8303 配線用差込接続器
2. 用語の定義
この規格で用いる主な用語の定義を,次に示す。
(1) 通電導線 電源から各種電気装置及びレセプタクルまで電流を流す導線。
(2) 中性線 通電導線で大地電位に保たれた側の導電線。
(3) 接地 大地と同等な電位になるように接続すること。
(4) 接地線 人体への感電の影響を最小限にするために,電気機器の外部に露出している金属きょう(筐)体を接地する導電線で,通常は電気を流していない。
(5) 配電盤 電源を船内の電気設備に給電する目的で回路の開閉監視,制御及び保護を行う装置。
(6) 過電流保護装置 設定された電流値を上回った場合,自動的に回路を遮断する装置。ヒューズやサーキットブレーカなどのこと。
(7) トリップフリー形過電流遮断器 熱若しくは磁気又はその両方の手段によって作動する過電流保護装置で,人力で遮断機構を無効にすることができないように設計された遮断器。
(8) 漏電遮断器 電源側から大地に流れる電流(漏電電流)が設定値を超えた場合,各種電気装置及びレセプタクルへの電気の供給を遮断する保護装置。
(9) 逆極性検知装置 陸上の電源と船の陸電回路とを接続したとき,通電導線の接地している側(中性線)と接地していない側とが逆転して接続されていることを検知する装置。
(10) 陸上電源取入金物 船内の交流回路と陸上電源とを電気的に接続するために船に設けられた金物。レセプタクルの一種であるが,通常のものとは異なり雄端子が出ているいわゆる逆心タイプの金物をいう。
(11) レセプタクル 船内で電気を取り出すために設けられた雌端子をもつコネクタ。コンセントともいう。
(12) 裸充電部 電圧がかかっているか又はかかることがある露出部。
(13) 安全緑縁変圧器 人体に対する電撃などの電気的危険保護の目的で,給電源から絶縁するために船体金属部に対し,一次側,二次側とも絶縁してある変圧器。
3. 一般要件 装置の一般要件は,次による。
(1) 交流電気機器個々の回路には2個以上の電源から同時に通電することができないようにすること。(交流電源には,陸上電源,船内の発動発電機,DC/ACインバータなどがある。)
(2) 複数の陸上電源取入金物を備える場合,各々の取入金物ごとに回路は独立していること。
(3) 電気装置の裸充電部は,覆い,その他の有効な手段によって不用意に人体が接触しないようにする。
(4) レセプタクルの接地線及び金属製のきょう(筐)体をもつ電気機器の接地を陸上電源取入金物の接地極を介して陸上電源の接地線に接続すること。ただし,安全絶縁変圧器を取り付けている場合はこの限りではない。
(5) 陸上の電源回路と船舶側の回路とが誤接続されない構造又は機構をもつこと。
4. 配電方式及び電圧 装置の配電方式及び電圧は,交流125V以下の単相3線式(単相2線+接地線)とする。
5. 陸上電源取入金物 陸上電源取入金物は,次による。
(1) 陸上電源取入金物の取り付け場所は,雨,飛まつ(沫)水など,水がかからない場所が望ましい。ただし,水がかかる場所に設置する場合は,次のとおりとする。
(a) 雨,飛まつ(沫)水など,水がかかる場所に取り付ける場合は,ばねの力で自動的に閉まるふたを備えるか又はねじ込み式でガスケット付きのふたを備えること。 また,陸上電源に接続するケーブルのプラグが接続されている状態において接続部分に水が浸入しないこと。
(b) 喫水線に近い船の外側など水中に没する可能性がある場所に取り付ける場合は,ねじ込み式でガスケット付きのカバーを備えたものであること。 また,陸上電源に接続するケーブルのプラグが接続されている状態において水密であること。
(2) 陸上電源取入金物の形状は,図1に示すとおりとし,接地極付きであること。
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