JIS M8819:1997 pdfダウンロード
JIS M8819:1997 pdfダウンロード。石炭類及びコークス類− 機器分析装置による元素分析方法 Coal and coke−Mechanical methods for ultimate analysis
1. 適用範囲
この規格は,機器分析装置による石炭類及びコークス類の炭素・水素・窒素を単独に定量する方法,又はそれらの2成分若しくは3成分を同時に定量する方法,並びに全硫黄・灰中の硫黄を単独に定量する方法について規定する。 備考1. 木炭及びれん(煉)炭類の分析にこの規格を準用することができる。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8088 硫黄(試薬)
JIS M 0104 石炭利用技術用語
JIS M 8810 石炭類及びコークス類−サンプリング,分析並びに試験方法の通則
JIS M 8811 石炭類及びコークス類のサンプリング方法並びに全水分・湿分測定方法
JIS M 8812 石炭類及びコークス類−工業分析法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則
2. 要旨
2.1 炭素・水素・窒素定量方法 炭素・水素・窒素の定量は,試料を酸素又は酸素含有キャリヤーガス気流中で燃焼させ,生成するガスを触媒及び還元剤を用いて二酸化炭素,水蒸気,窒素に変化させた後,ガス分析部に導いて各成分を測定し,無水試料に対する質量百分率を求めて炭素・水素・窒素とする。
2.2 全硫黄・灰中の硫黄定量方法 全硫黄及び灰中の硫黄の定量は,試料を酸素気流中で燃焼又は熱分解し,生成するガスをガス分析部に導いて硫黄酸化物を測定し,試料に対する質量百分率を求めて全硫黄及び灰中の硫黄とする。
3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS M 0104による。
4. 試料
4.1 石炭類及びコークス類の試料は,JIS M 8811の4.6(気乾)によって調製した気乾試料を用いる。
備考1. 石炭類及びコークス類の試料について,粒子個々の成分不均一に起因する測定誤差を小さくする必要がある場合には,150μm以下に粉砕することが望ましい。
2. 気乾試料は密栓して保管すれば,少なくとも7日間は水分がほとんど変化しないから,各成分の分析の際に,毎回気乾試料水分を測定する必要はない。
4.2 灰類の試料は,JIS M 8815に規定する第1類の灰又は第2類の灰を用いる。
備考1. 第1類の灰とは,石炭類及びコークス類の気乾試料の最適量をJIS M 8812の5.(灰分定量方法)によって灰化した灰である。第1類の灰は,めのう乳鉢で指頭に感じなくなるまで(約75μm以下)微粉砕し,さらに815±10℃で30分間再強熱した後,デシケーター中に保存する。
2. 試料の灰化時に,試料層の厚さ,電気炉の通風度及び昇温速度は,JIS M 8812の5.の規定を守らなければならない。特に,硫黄分及びカルシウム分の多い石炭試料の場合には,上記の規定が守られていないと灰化の過程で灰中に固定される硫黄分の量が著しく多くなることがあるので注意しなければならない。
3. 第2類の灰とは,燃焼機器において石炭類及びコークス類によって生成した灰である。第2類の灰は,めのう乳鉢で指頭に感じなくなるまで微粉砕し,さらに完全に灰化してもよい。ただし,その旨を明記しなければならない。
5. 装置及びはかり
5.1 炭素・水素・窒素定量装置 炭素・水素・窒素定量装置は,ガス精製部,試料燃焼部,還元部,混合定容部,分離検出部,記録部などの各部分からなる。
(1) ガス精製部 酸素ボンベ,ヘリウムボンベから供給する酸素,ヘリウムの圧力及び流量が調節でき,かつ,酸素,ヘリウム中に含まれる炭素酸化物,有機ガス,水など測定に妨害となる成分が除去できるもの。
(2) 試料燃焼部 燃焼炉温度 (800〜1 100℃) ,燃焼時間,酸素流量を調節して,試料を完全に燃焼させる条件が選択でき,かつ,触媒を用いて各成分の酸化を完全に行い,除去剤によって硫黄,ハロゲンなどの妨害成分が除去できるもの。
(3) 還元部 還元炉温度 (450〜700℃) が調節でき,還元剤を用いて窒素酸化物が完全に還元できるもの。
(4) 混合定容部 精製ガスを混合均一化し,一定容積にできるもの。ポンプ方式,混合方式などがある。
(5) 分離検出部 精製ガス中の目的成分を分離し,その成分濃度に比例する物性値を得ることができるもの。分離方式には,選択吸収方式,クロマトグラフ方式などがあり,検出方式には,熱伝導方式,赤外線吸収方式などがある。
(6) 記録部 分離検出部で得られた物性値を,そのまま又は測定値に換算して指示記録できるもの。
5.2 全硫黄・灰中の硫黄定量装置 全硫黄・灰中の硫黄定量装置は,試料燃焼部,硫黄酸化物検出部,記録部などの各部分からなる。
(1) 試料燃焼部 燃焼炉温度が約1 350℃以上のもの。触媒を加え硫黄酸化物を完全に熱分解できる場合には,1 350℃以下でもよい。
(2) 硫黄酸化物検出部 燃焼ガス中の硫黄酸化物の濃度に比例する物性値を検出できるもの。赤外線方式,電量滴定方式などがある。
(3) 記録部 検出部で得られた物性値を,そのまま又は測定値に換算して指示記録できるもの。
5.3 はかり はかりは,JIS M 8810に規定するもの。試料はかり取り量は,原則として有効数字4けた以上とする(1)。
注(1) 装置によっては,4けた以上はかり取れない専用のはかりが附属しているものがある。ただし,このはかりを用いて測定を行い,7.2の性能が得られれば使用してもよい。
5.4 装置の設置場所 装置の設置場所は,装置の安定性を確保するため,少なくとも次のような条件を備えることが望ましい。
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