JIS W1110:1990 pdfダウンロード
JIS W1110:1990 pdfダウンロード。航空宇宙−アルミニウム合金の化成皮膜処理−一般用Aerospace process−Chemical conversion coatingfor aluminium alloys−General purpose
1.適用範囲
この規格はアルミニウム合金上の一般用の化成皮膜の生成及び試験に対する要求事項について規定する。この規格で規定する化成皮膜は,膜の密着性及びアルミニウム合金の耐食性を改善するために,航空宇宙用製品の製造に使用する。また,この処理は,陽極酸化皮膜の拾い塗り (touch up) にも使用してよい。
2.引用規格
ISO 1519 Paints and varnishes−Bend test (cylindrical mandrel)ISO 3768 Metallic coatings−Neutral salt spray test (NSS test)ISO 3892 Conversion coatings on metallic materials−Determination of coating mass per unit area−Gravimetric methodsISO 8076 Aerospace process−Anodic treatment of aluminium alloys−Chromic acid process 40 V DC,undyed coating3.技術的要求事項3.1化成皮膜処理を施す材料
皮膜の色(4.7.1.1 参照)が容認できるときには,すべてのアルミニウム合金(鋳造合金を含む。)に,化成皮膜処理を施してもよい。
3.2化成処理剤 航空宇宙用製品に対しては,クロメート化成皮膜が最も広範囲に使用されている。しかし,母材に悪影響を及ぼすことなく,この規格の要求事項を満足するときには,他の化成皮膜を生成する化成処理剤を使用してもよい。
3.3工程要求事項3.3.1工程は,この規格の要求事項を満足する皮膜を常に確実に生成するものでなければならない。3.3.2工程は,認められた化学分析方法によって,適切な化成処理液の管理ができるものでなければならない。
3.3.3化成処理液を維持するため,分析及び管理の方法を文書で処理業者に提出することは,製造権がある化成処理剤の専門業者の責任とする。
3.4化成皮膜処理を施すアルミニウム材料の調整3.4.1化成皮膜処理を施す前に,可能な限り,すべての加工及び熱的処理工程は,完了しなければならない。3.4.2化成処理に先立って,腐食,圧延きず及び識別表示を除去しなければならない。部品は,その表面が水切れがなく清浄で,点食,すりきず及び機械的損傷があってはならない。軽度にエッチングした表面とするような工程を用いて最終清浄化することが望ましい。
3.5工程の詳細3.5.1水質 建浴用の水及び化成処理後に使用するすすぎ水は,溶解固形物の総量が 75ppm (mg/kg) 以下で,このうち塩化物イオン及び硫酸塩イオンがそれぞれ 15 及び 25ppm (mg/kg) 以下でなければならない。pH値の範囲は,5.5∼7.5 が望ましい。清浄化(3.5.3 参照)及び酸化膜除去(3.5.4 参照)の工程後のすすぎには,水道水を使用してもよい。3.5.2化成処理液 化成処理液は,3.5.1 の規定に適合している水を使用して,調整しなければならない。製造権がある化成処理剤を,この規格の要求事項を満足することができる化成皮膜を生成するのに必要な量だけ加えなければならない。化成処理液の pH 値は,20±2℃の温度で,1.3∼2.5 に維持しなければならない。所要の pH 値レベルを維持するために,硝酸又は水酸化ナトリウムを使用してもよい。3.5.3清浄化 適用する清浄化方法は,水切れがなく,点食及び摩耗きずがない清浄な面を生成するものでなければならない。溶剤脱脂及び非エッチング性又は抑制剤を添加したアルカリ性の洗浄剤で清浄化し,その後,低温の水道水ですすぐ方法を適用してもよい。もしアルカリ性洗浄剤がけい酸塩化していれば,浴の組成及びその後のすすぎを管理して,良好な化成皮膜の生成を妨げるおそれがあるけい酸質残留物を加工品表面に形成しないようにしなければならない。3.5.4酸化膜除去 部品は,清浄化後,酸化膜除去剤に浸せきし,その後,低温の水道水ですすぐことによって,自然酸化物を除去し,軽度にエッチングした表面としなければならない。使用する酸化膜除去剤は,規定の限度を超えて金属上の性質を低下させたり,点食を生じさせたり,寸法を変えたり,表面粗さを増大させたりしてはならない。
3.5.5部品の配列 すべての加工部分に化成処理液が自由に循環できるように,部品を配列したり,つり下げたりしなければならない。小部品は,適切な材料の穴あき容器に入れて,容器内の小部品に処理液が適切に循環できるようにしてもよい。3.5.6皮膜処理手順 処理液をかくはんしたり,すべての加工部分に処理液を循環させたりするための装備をもつ適切なタンク内の処理液に浸せきすることによって,皮膜処理を施さなければならない。代替方法として,スプレーを用いてもよい。浸せき時間及び処理液の温度は,4.の要求事項を満足することができる皮膜を生成するものでなければならない。部品の皮膜の拾い塗りについては,はけ又は布切れを使用するような代替塗布方法を用いてもよい。3.5.7すすぎ及び乾燥3.5.7.1すすぎ 化成処理液から取り出した直後に,部品は,3.5.1 の規定に適合する低温流水に浸せきすることによって,完全にすすがなけれはならない。浸せきすすぎの代わりに,スプレーすすぎを用いてもよい。必要と考える場合,60℃以下の温水で,しかもすすぎ時間を最少限に保つならば,温水による最終すすぎを用いてもよい。
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