JIS A1217:1990 pdfダウンロード
JIS A1217:1990 pdfダウンロード。土の段階載荷による圧密試験方法 Test method for one-dimensional consolidation properties of soils using incremental loading
1 適用範囲
この規格は,土を一次元的に,かつ,段階載荷によって排水を許しながら圧密し,圧縮性及び圧密速度に関する定数を求める方法について規定する。この規格は,細粒分を主体とした透水性の低い飽和土に適用できる。 なお,細粒分を主体とした飽和度の低い土の圧縮性を求める場合にも,この規格を準用することができる。
2 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
JIS A 1203 土の含水比試験方法
3 用語及び定義 この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1 圧密 細粒分を主体とした透水性の低い土が静的荷重を受け,間げき(隙)水を徐々に排出して密度を増加すること。
3.2 段階載荷 荷重の大きさを段階的に順次増加していく載荷方法で,各段階の荷重をほぼ瞬間的に与えて所定の時間一定に保つ。
3.3 載荷段階 段階載荷における圧力段階。
3.4 荷重増分比 ある段階の圧密圧力増分の前段階における圧密圧力に対する比。
3.5 圧密圧力 土を圧密するために与える圧力で,供試体上端面に与える荷重を供試体断面積で除した圧力。
3.6 理論圧密度 圧密理論によって定義される圧密度合を表す指標。
3.7 一次圧密 実際の圧密量と時間関係のうち,理論圧密度100 %までに対応する部分。
3.8 圧密降伏応力 土が可逆的な体積変化を示す領域から,非可逆的な体積変化を示す領域に移行する境界の圧密圧力。
3.9 過圧密 現在受けている圧密圧力が,その土の圧密降伏応力より低い状態。
3.10 正規圧密 現在受けている圧密圧力が,その土の圧密降伏応力を超えている状態。
4 試験装置及び器具
4.1 圧密試験機 圧密試験機は,次のとおりとする。
a) 圧密容器 圧密容器は,次のものから構成され,圧密圧力によって変形しない十分な剛性をもつもの。圧密容器の例を,図1に示す。
1) 圧密リング 圧密リングは,内面の滑らかなリングで,内径6 cm,高さ2 cmを標準とする。ステンレス鋼などのさびない材質で,土との摩擦の少ないものを用いる。また,最大圧密圧力時の内径変化は,0.05 %以下のもの。 なお,供試体の土質特性によっては,圧密リングは,5.1に基づいて異なる寸法のものを使用する。
注記 圧密リングとガイドリングとが一体化した構造のものでもよい。
2) ガイドリング ガイドリングは,圧密リングと同じ内径で,高さが加圧板の外周の高さと同程度のもの。
3) 加圧板 加圧板は,中心に載荷点がある剛な円板で,多孔板をもち,ガイドリング及び圧密リング内を滑らかに動くもの。 なお,加圧板の直径は,圧密リングよりも0.2 mm程度小さく,外周面は滑らかで,外周の高さは10 mm〜15 mmとする。
4) 底坂 底板は,圧密リングを固定する剛板で,多孔板をもつもの。
5) 多孔板 多孔板は,十分な剛性をもち,透水係数が1×10−6 m/s以上で,土粒子が入らない程度に間げきが小さいもの。 なお,多孔板は,供試体の断面積の85 %以上の面積をもつものとする。多孔板に土粒子の侵入が懸念される場合は,圧縮性の小さな親水性の透水性薄膜をフィルターとして用いる。また,試験前に多孔板に目詰まりがないことを確認する。
b) 水浸容器 水浸容器は,圧密容器内の供試体を水浸状態に保持できるもの。
c) 載荷装置 載荷装置は,圧密容器を水平に支持し,規定の荷重を供試体に衝撃及び偏心なしに短時間に加えることができ,供試体に規定の圧密圧力を段階的に加えることができる重錘レバー式又は空気圧式で,各載荷段階の圧力変動を100 kN/m2未満では±1 kN/m2,100 kN/m2以上では±1 %の範囲内で保持できるもの。 なお,重錘レバー式の場合は,レバーの傾きを調整できる機構をもつものとする。
d) 変位計 変位計は,予想される供試体の総圧密量が10 mm未満の場合は0.002 mmまで,10 mm以上の場合は0.01 mmまで測定できるものを標準とする。ダイヤルゲージ又はこれと同等以上の性能をもつ電気式変位計を用いる。
4.2 供試体作製器具 供試体作製器具は,次のとおりとする。
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