JIS Z3700:1987pdfダウンロード
JIS Z3700:1987pdfダウンロード。溶接後熱処理方法 Methods of post weld heat treatment
1 適用範囲
この規格は,炭素鋼及び低合金鋼の溶接後熱処理(以下,後熱処理という。)方法について規定する。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)
JIS G 0203 鉄鋼用語(製品及び品質)
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般 JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法 JIS Z 3040 溶接施工方法の確認試験方法
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS G 0201,JIS G 0203,JIS Z 3001-1及びJIS Z 3001-2によるほか,次による。
3.1 有効加熱幅
局部加熱による後熱処理において,表1若しくは表2に規定する温度,又は受渡当事者間の協定による最低保持温度以上に加熱されている幅。
4 被後熱処理部の母材の種類の区分 母材の種類の区分(P番号及びグループ番号)は,JIS Z 3040の付表1(母材の区分)による。
5 後熱処理方法の種類 後熱処理方法の種類は,次のいずれかによる。
a) 炉内加熱による後熱処理方法 被熱処理物の全部又は一部を,加熱炉の中で,所定温度で所定時間熱処理する方法。
b) 局部加熱による後熱処理方法 被熱処理物の溶接部を中心とした所定の範囲を,帯状電気ヒータ,高周波誘導コイルなどの加熱装置で,所定温度で所定時間熱処理する方法。
6 後熱処理における厚さ
6.1 加熱速度及び冷却速度の決定に用いる厚さ 加熱速度及び冷却速度の決定に用いる厚さは,後熱処理で加熱される部分の構成部材の最大厚さとする。
6.2 熱処理の保持時間及び有効加熱幅の決定に用いる厚さ 熱処理の保持時間及び有効加熱幅の決定に用いる厚さは,次の溶接部の厚さとする。ただし,余盛の厚さは含まない。
a) 完全溶込み突合せ溶接で母材が同じ厚さの場合には,母材の呼び厚さ。
b) 部分溶込み溶接の場合は,開先の深さ。また,両側から部分溶込み溶接の場合は,開先の深さの和。
c) 開先溶接の場合には,開先の深さ。
d) すみ肉溶接の場合には,のど厚。
e) すみ肉溶接と開先溶接とを併用している場合には,開先の深さ又はすみ肉ののど厚のいずれか大きい厚さ。
f) スタッド溶接の場合には,スタッド直径。
g) 厚さが異なる部材を溶接する場合には,溶接部の厚さで最も大きい厚さ。
h) 補修溶接では,その補修溶接の深さ。
i) クラッド鋼又は耐食金属が肉盛溶接された部材を溶接する場合には,母材の厚さに合せ材又は肉盛の厚さを加えた厚さ。
7 後熱処理温度及び保持時間 後熱処理温度及び保持時間は,次による。
a) 後熱処理における最低保持温度及び最小保持時間は,母材の区分に応じて表1による。
b) 母材の区分がP-1,P-3,P-9A及びP-9Bの鋼材で,材料又は構造上から表1の温度に保持することが適切でない場合には,受渡当事者間の協定によって,最低保持温度を下回る温度で後熱処理を行ってもよい。この場合の保持温度及び最小保持時間は,表2による。
c) 最小保持時間は,連続する時間でもよく,断続的に後熱処理を行った合計時間でもよい。
d) 保持時間中は,被加熱部全体にわたる温度差を85 ℃以下とする。 なお,被加熱部は,過度の酸化が生じないよう注意しなければならない。
e) 二つの異なるP番号及びグループ番号の材料を溶接する場合の後熱処理は,必要とする後熱処理温度の高い材料に対する規定による。
f) 焼入焼戻し鋼(調質高張力鋼)の場合の保持温度は,通常,焼戻し温度を超えてはならない。ただし,焼戻し温度を低く設定し,後熱処理で最終の焼戻しを行う場合はこの限りではない。
g) 熱加工制御 (TMCP) で製造された鋼材及び焼入焼戻し鋼(調質高張力鋼)で焼戻し温度が表1の最低保持温度より低い場合,最低保持温度及び最小保持時間は,表1又は表2によらず受渡当事者間の協定によってもよい。
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