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JIS T1305
  • JIS T1305:1985 pdfダウンロード。アルミニウム及びアルミニウム合金の 発光分光分析方法 Method for optical emission spectrochemical analysis of aluminium and aluminium alloys 1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金のアルゴン雰囲気放電発光スタンド付発光分光分析方法について規定する。この規格は,表1の成分の定量に適用する。 なお,アルミニウム及びアルミニウム合金の大気放電発光スタンド付発光分光分析方法については,附属書による。 2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS Z 2611 金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則 3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS Z 2611による。 4. 定量元素及び定量範囲 定量元素及び定量範囲は,表1による。 5. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 a) や金的履歴 分析試料の化学組成が同一であっても,金属組織及び析出物・介在物の形態並びに発光強度測定値に影響を及ぼすような溶湯試料の凝固速度,熱処理・圧延・鍛造などにおける加熱温度などの履歴。 b) 発光強度測定値 発光強度法の場合は,発光分光分析方法で求めた定量成分の発光強度。強度比法の場合は,定量成分の発光強度と内標準元素(一般にアルミニウム)の発光強度との比。 c) 含有率比法 機器分析用アルミニウム標準物質などを用いて検量線を作成する場合に,定量成分の標準値をアルミニウム含有率に対する含有率比に補正し,補正された含有率比に対する発光強度比との関係線を求めて検量線とし,その検量線を用いて,試料中の成分の発光強度比からその成分の補正された含有率比を求めた後,その補正を解除して成分の定量値を求める方法。 6. 要旨 試料を切断又は切削した後,研削して平面状に仕上げ,発光分光分析装置の試料支持台に取り付けて電極とし,対電極にタングステンを用い,両電極間に電圧を印加して放電させ,スペクトル線を分光器によって分光し,定量成分のスペクトル線強度を測定する。 7. 装置 7.1 発光分光分析装置 発光分光分析装置は,JIS Z 2611によるほか,次による。 a) 対電極 対電極は,直径0.5〜7 mmのタングステン棒の先端を20〜120°の円すい状又は直径1 mmの平面をもたせた円すい台状に成形したものを用いる。 b) アルゴン 酸素,炭化水素,その他の不純物が少ない純度99.99 %(m/m)以上のものを使用する(1)。 注(1) アルゴンの純度は,定量値に大きな影響を与える。すなわち,不純分の多いアルゴンの使用は,繰り返し測定値の安定性の低下,放電不良による各成分の発光強度測定値の減少などが発生するので注意する。 7.2 装置の調整 装置の調整は,JIS Z 2611による。ただし,分光器内圧力については,各分析装置に最適の条件とする。 7.3 装置性能基準 装置性能基準は,次による。 a) 7.2によって調整した発光分光分析装置は,併行精度及び感度が適切になるように分析条件(分析線,励起条件,測光条件など)を設定する。 b) 併行精度は,表2に規定する相対標準偏差上限値以下とする。ただし,Al-Si系過共晶合金試料については適用しない(2)。 なお,相対標準偏差とは,均質な試料,例えば機器分析用アルミニウム標準物質を10.に従って連続して少なくとも6回以上の発光強度を測定し,測定ごとに定量値を求めた後,次の式によって算出した値をいう。 注(2) AC9A,AC9B,ADC14などのAl-Si系過共晶合金中のSiについては,均質な標準物質が入手しにくいので,この規定を適用しないが,放電回数を増やすことなどによって現状を把握しておくことが望ましい。 c) 装置性能基準の調査は,期間を定めて定期的に行い,分析条件を変更した場合,装置の修理・調整など装置の状態が変わる場合は,必ず行う。 8. 標準物質,検量線校正用試料及び分析試料 標準物質,検量線校正用試料及び分析試料は,次による。 a) 機器分析用アルミニウム標準物質 検量線の作成及び検量線の検定に用いる標準物質で,均質で,分析試料とや金的履歴及び化学組成とが近似しており(3),定量成分の標準値が国際規格,日本工業規格などに規定された化学分析方法を用いて決定されたものとする。 なお,公的規格がない場合は,その分析場所において技術的に確認され,文書化された化学分析方法を用いて標準値を決定する。 注(3) 検量線作成時に,必要とする含有率範囲を満たす十分な数の標準物質が入手できない場合は,アルミニウムと定量成分とからなる二元系合金標準物質を用いてもよい。 b) 検量線校正用試料 検量線の確認及び校正を行うために日常用いる試料で,十分な均質性をもった試料であれば,分析試料とや金的履歴及び試料中の化学組成の構成比が近似していなくてもよい。この試料は,装置性能基準の判定に用いてもよい。
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